カテゴリー「性神 補足」の3件の記事

2009.04.26

資料について(3)

三つ目の資料の紹介です。
ほんの参考程度に図書館よりコピーしたもので、栃木県教育委員会編による「下野の野仏」です。
1973年(昭和48年)の発行ですので、調査時期的には「下野の道祖神」  1967年(昭和42年)と「性神の謎」 1985年(昭和60年)の間ということになります。

物件についての詳しい説明も無いので、当然のことながら道祖神の項には文字碑も大量に含まれているのではないかと思いますし、ごく一部を除いて詳細な住所は掲載されていないので探索にはあまり活用出来ていない資料ですが、もしかしたら「性神の謎」と「下野の道祖神」で取り上げられることが無かったものが含まれているかもしれません。
しかしながら今のところ、この資料から新たに発見出来た性神物件はありません。

以下、金精神と道祖神についてのみの情報を抜粋します。
なお、この資料には、道祖神一体につき一番号がふってあり、建立年月日が判明しているものに関してはその旨記述されています。
基本的に記述通りにしてありますが(一部謎の住所があります)、住所のカッコ内は市町村合併その他による現行政区分です。

当ブログにおける既出エントリーが一部含まれているようですが情報量が少なく同一物件かどうかの検証が出来ないので特にコメントはつけません。

金精神

  1 鹿沼市草久小檜1807
  2 鹿沼市下奈良部町石上
  3 鹿沼市野尻下組****方前道路
  4 矢板市上伊佐野 >文化14年3月吉日
  5 河内町(宇都宮市)下田原久我西山星宮神社
  6 河内町(宇都宮市)下田原久我西山星宮神社
  7 二宮町(真岡市)堀米 >寛保元年6月1日
  8 二宮町(真岡市)下江連
  9 藤原町(日光市)川治
10 藤原町(日光市)小網
11 藤原町(日光市)独鈷沢 >文化9年10月吉日
12 藤原町(日光市)中三依 >寛政元年

道祖神(道ロク神、双体道祖神)

   1 宇都宮市城山 >嘉永6年
   2 足利市寺岡町宿尻 >文政3年
   3 足利市稲岡町西根
   4 足利市奥戸町上 >安永2年9月
   5 足利市五十部東山中 >嘉永2年
   6 足利市大前町町屋 >天明年間
   7 足利市南大町 >天明年間
   8 足利市小俣町岩脇693-5
   9 足利市小俣町3630 >天明年間
  10 足利市小俣町2600 >天明年間
  11 足利市松田2丁目共同墓地 >明和9年
  12 佐野市小中東町 >寛政4年3月
  13 佐野市上石塚町 >天明年間
  14 鹿沼市野尻下組
  15 鹿沼市草久道新坊山林3477
  16 鹿沼市野尻下組****方前道路
  17 日光市野口
  18 日光市匠町岩裂神社 >寛政10年10月
  19 日光市稲荷町 >文化12年
  20 今市市(日光市)高百
  21 今市市(日光市)木和田島公民館 >寛政12年
  22 小山市間々田2丁目 >安政7年11月
  23 小山市生駒 >寛政12年
  24 小山市上泉 >明治32年9月
  25 小山市小薬
  26 真岡市原町
  27 真岡市根本柳久保
  28 矢板市上伊佐野 >明治42年10月吉日
  29 黒磯市(那須塩原市)下中野 >享保3年
  30 黒磯市(那須塩原市)東小屋 >元禄2年
  31 黒磯市(那須塩原市)上中野
  32 上河内町(宇都宮市)金田
  33 上河内町(宇都宮市)上冬室
  34 河内町(宇都宮市)西組藤の越
  35 西方村(西方町)本郷下宮南
  36 西方村(西方町)金井 >安政3年
  37 西方村(西方町)本郷
  38 西方村(西方町)もとわきや
  39 粟野町(鹿沼市)布施谷大越路
  40 粟野町(鹿沼市)森
  41 粟野町(鹿沼市)加戸
  42 粟野町(鹿沼市)笠丸
  43 粟野町(鹿沼市)入粟野尾ざ >寛政5年3月
  44 粟野町(鹿沼市)上粕尾大井 >明治25年
  45 粟野町(鹿沼市)発光路 >明治元年
  46 粟野町(鹿沼市)半縄 >安永8年
  47 粟野町(鹿沼市)細尾 >天保2年
  48 粟野町(鹿沼市)栃原 >文化4年
  49 粟野町(鹿沼市)中粕尾 >寛政年間
  50 足尾町(日光市)神子内
  51 足尾町(日光市)神子内
  52 足尾町(日光市)神子内 >安永3年8月吉日
  53 二宮町(真岡市)久下田新石町 >明和5年10月吉日
  54 野木町本新田 >明和8年
  55 大平町(栃木市)伯仲
  56 藤岡町(栃木市)部屋
  57 藤岡町(栃木市)中居松の木内
  58 藤岡町(栃木市)部屋道神
  59 岩舟町古橋
  60 岩舟町水掛 >文化11年9月
  61 岩舟町畳岡 >大正4年
  62 岩舟町古江
  63 岩舟町古江
  64 岩舟町小名路
  65 岩舟町田代
  66 岩舟町上耕地
  67 岩舟町駒場
  68 岩舟町下岡
  70 都賀町(栃木市)大柿竜興寺入口
  71 塩原町(那須塩原市)下塩原門前妙雲寺
  72 栗山村(日光市)黒部 >天保7年6月
  73 栗山村(日光市)日蔭
  74 氏家町(さくら市)馬場川崎街道
  75 氏家町(さくら市)大中地蔵尊内 >天保12年
  76 喜連川町(さくら市)鷲宿字知
  77 烏山町(那須烏山市)上境上平松ノ木
  78 烏山町(那須烏山市)大木須有田
  79 烏山町(那須烏山市)上境増ヶ入
  80 烏山町(那須烏山市)上境増ヶ入
  81 烏山町(那須烏山市)小木須加熊
  82 烏山町(那須烏山市)下境川岸ノ口
  83 烏山町(那須烏山市)上境平松ノ木
  84 馬頭町(那珂川町)小口三川又 >文化12年8月
  85 馬頭町(那珂川町)北向田寺山 >宝暦10年
  86 馬頭町(那珂川町)大内ヨガ沢 >宝暦3年卯月
  87 那須町沼野井下新田
  88 那須町美野沢大畑深所
  89 那須町芦野上田
  90 那須町高久丸山 >天保13年
  91 那須町高久愛宕山 >文久2年
  92 那須町室野井つばき追分坂
  93 那須町湯本一軒茶 >明治14年5月
  94 那須町温泉神社内 >大正12年8月7日
  95 那須町夕狩綱子
  96 田沼町(佐野市)田沼下町
  97 田沼町(佐野市)上東
  98 田沼町(佐野市)栃本下川入
  99 田沼町(佐野市)栃本下川入
100 田沼町(佐野市)戸奈良久保
101 田沼町(佐野市)御神楽
102 田沼町(佐野市)長谷場炭尾 >大正14年5月
103 田沼町(佐野市)天の沢 >明治23年
104 田沼町(佐野市)戸奈良下西原
105 田沼町(佐野市)西原 >明治5年11月
106 葛生町(佐野市)会沢 >寛政6年11月
107 葛生町(佐野市)山管
108 葛生町(佐野市)牧 >天保13年12月
109 葛生町(佐野市)秋山木浦原 >慶応元年
110 葛生町(佐野市)秋山木浦原 >天保10年4月
111 葛生町(佐野市)秋山深堀 >大正3年10月

以上です。

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2009.03.29

資料について(2)

二つ目の資料の紹介です。
メインで使用した資料の「性神の謎」はこちら で紹介しています。

サブとして使用したのは、時中庵主人(渡邊泰秀)氏による「下野の道祖神」(教育出版)です。
タイトルが道祖神となっていますが一部を除いて文字碑などは扱っておらず、実質は性神の本と言えます。
この資料については図書館を利用し、複写範囲の限定というしばりがあるので何度かに分けて必要な部分だけコピーさせてもらいました。

「性神の謎」が1985年(昭和60年)の発行に対し、「下野の道祖神」は1967年(昭和42年)の発行ですので、さらに20年ほど古い情報となりますし、性神の収録数も「性神の謎」より少ないのですが、一部については、より詳しく現地の様子が描かれていたり、「性神の謎」には記述されていなかった性神も掲載されています。

以下、収録されている性神(目次タイトルをそのまま引用)を列挙し、既出エントリーの性神の場合はリンクを付加します。

 

1.奥日光の金精明神
日光市湯元 金精峠の金精神社 として未訪問ながらエントリー済です。

2.滝の尾の子種石
日光市山内 滝尾神社 安産子種石 としてエントリー済です。

3.産の宮と陰陽石
日光市山内 産の宮 陰陽石 としてエントリー済です。

4.下川原の稲荷道祖
「性神の謎」には未掲載の性神です。

5.松原町の金精様
日光市松原町 金精神 としてエントリー済です。

6.松原町の天王様
日光市松原町 八坂神社 弁財天 としてエントリー済です。

7.野口の道陸神(どうろくじん)
日光市野口 薬師堂境内 金精神 としてエントリー済です。

8.高徳の道六神
日光市高徳 赤まら黒まら としてエントリー済です。

9.川治温泉の姫の宮
日光市藤原 姫宮 として未発見ながらエントリー済です。

・鬼怒川が男鹿川へ合流しようとするところの右岸
・共同浴場入口の少し手前の路傍にある根回り1メートルほどの榎

との記述ですのでレポートした場所付近である事は間違いないと思われますが、やはり消滅してしまったのかもしれません。
掲載された写真にはハチマキ石も写っています。

10.日蔭の道陸神
「性神の謎」には未掲載の性神です。
双体道祖神です。

11.石那田の金精様
宇都宮市石那田 金精大明神 としてエントリー済です。

12.大網入口の道祖神
宇都宮市徳次郎町上町 道祖神 としてエントリー済です。

13.戸祭歩道の道六神
宇都宮市中戸祭町 金精神 としてエントリー済です。

14.曲師町の道陸神
宇都宮市曲師町 琴平神社 道陸神 としてエントリー済です。

15.西川田の安産稲荷
宇都宮市兵庫塚町 安産稲荷神社 としてエントリー済です。

16.上砥上の道六神
宇都宮市砥上町 屋敷神 として未発見ながらエントリー済ですが、
どうも「性神の謎」とは場所の記述が少し違っているようにも思えます。
推定しているだけなので見直しが必要に思われます。

17.下鶴田の道六神
宇都宮市鶴田町 どうろく神 としてエントリー済です。

18.駒生の金精大明神
宇都宮市駒生町 湯殿山神社 金勢大明神 としてエントリー済です。
掲載の写真を見ると湯殿山神社の境内の様子がだいぶ違って見えます。

19.倉掛峠の道祖尊神
宇都宮市新里町 倉掛峠の道祖尊神 としてエントリー済です。

20.上平出の金勢明神
宇都宮市平出町 平出雷電神社内金勢神社 としてエントリー済です。

21.西芦沼の道陸神
宇都宮市芦沼町 八龍神社 としてエントリー済です。

22.一本木の道六神
宇都宮市冬室町一本木 道祖神 としてエントリー済です。

23.上伊佐野の道祖神
かつては存在したようですが、出版時には既に文字碑のみになっていたようです。

24.下伊佐野の金精神
矢板市上伊佐野 金精神社 としてエントリー済です。

25.福渡温泉の子抱石
那須塩原市塩原福渡 子持ちの湯 子抱き石 として未訪問ながらエントリー済です。

26.岩の湯温泉根石(こんせき)様
那須塩原市福渡 岩の湯 子宝明神 として未訪問ながらエントリー済です。

27.黒羽のチンコ明神
大田原市前田 鎮国社 男根像 としてエントリー済です。

28.武茂川(むもがわ)の御前岩
那珂川町大山田下郷 御前岩 としてエントリー済です。

29.宝積寺の石神様
高根沢町宝積寺石神 石神 としてエントリー済です。

30.薬師寺の道祖八幡
下野市薬師寺 薬師寺八幡宮 金精様 としてエントリー済です。

31.益子の道祖神
益子町 正宗寺 道祖神 として未訪問ながらエントリー済です。

32.T邸の道祖大神
「性神の謎」には未掲載の性神です。
場所は邸内のようです。
*公開にあたり姓は伏せました。

33.小井戸の道六神
地名は小井戸となっていますが、記述内容からすると、茂木町上後郷 上後郷 道陸神 のエントリーと同一のものと思われます。

34.馬門の道祖神
茂木町馬門登谷 道祖神 として「消滅?」のカテゴリーでエントリー済です。

35.下栃窪の金勢明神
鹿沼市栃窪 金勢神 として未発見ながらエントリー済です。

36.飯岡峠の道陸神
鹿沼市千渡 千渡山の道祖神 として未発見ながらエントリー済です。

37.下日向の道祖神
場所が判然としないのですが、内容からすると鹿沼市村井町 酒野谷道祖神 でエントリーした性神の、元々あった場所についての記述の可能性があります。
保留としておきます。

38.村井の女躰(じょたい)権現
「性神の謎」には未掲載の性神です。
鹿沼市磯町 村井の女躰権現 としてエントリーしましたが、根本的な疑問が湧いてしましました。

39.発光路の道祖神
鹿沼市上粕尾半縄 双体道祖神 として
未訪問ながらエントリー中に地名だけ記述しています。

40.足尾の道陸神
かつて存在したようで、出版時には道陸神という神社があるだけで、性神の写真は掲載されていません。

41.鑁阿寺の金勢明神
出版時に既に御神体は非公開となっていたようです。
「性神の謎」には未掲載の性神です。
現在もやはり非公開なのでしょうか。

42.五十部(よべ)の水使様
足利市五十部町 水使神社 としてエントリー済です。

43.板倉神社の民俗資料
足利市板倉町 板倉神社 石棒 としてエントリー済です。

主に位置の確定に使用し、内容については読み込んでいないので、補足するに値する情報は各エントリー加筆していきたいと考えています。

また「性神の謎」に未掲載のものについては調査したいと思いますが「性神の謎」でもオミットされた性神がはたして現存するものなのか、という気もします。
しかしながら疑問に感じるのは「性神の謎」の巻末に記されている主な参考文献に、これだけまとまっている内容の「下野の道祖神」が挙げられていないことです。
ですので、こちらが勝手にオミットされたと判断するのは早計で、やはり要調査という事なのかもしれません。

紹介というより、自分の為のまとめのようになってしまいました。

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2008.11.08

資料について(1)・その他

性神探索に主に利用した資料は鯨清氏の「性神の謎」(椿書林)です。
私は古書で入手しましたが栃木県内のいくつかの図書館に置いてあります。

栃木県内の蔵書の検索には栃木県図書館総合目録システムが利用できます。

タイトルは「性神の謎」とはなっていますが、取り扱っている内容は栃木県内の性神で、この一冊で県内のほとんどの性神を網羅していると思われます。

ブログのエントリーは上記「性神の謎」の記述順で行っています。

ですから、もし手元に「性神の謎」をお持ちであるなら、最初のエントリーの「宇都宮市西川田町 金精神」 から「宇都宮市曲師町 琴平神社 道陸神」 まで昇順に本と併せて記事を読んでいくと現在(2008年)の状況との対比が出来ます。

もちろん発見できなかったり、いまだに未訪問などで、全てを網羅出来ていませんしWeb上で公開できる情報には限度があります。

出来れば現地での観察をお薦めします。

*2010-08-24追記
上記、資料に対応する昇順での閲覧についてですが、ココログの仕様が若干変更になったせいなのか、あるいはエントリー数が増えたせいなのか不明ですが、現在トップページからスクロールしても全てのエントリーを表示しての昇順閲覧が出来なくなっています。
しかしながら「性神の謎」の記述順に該当する2008年11月のエントリーのみを表示 する事で閲覧が可能です。

画像の特に日付の記載の無いものに関しては2006年から2008年にかけて撮影したものですので、状況が変わっている可能性もあります。

現地マップのリンクは、物件周囲に目標物が無い場合を除いて、なるべく精度が高くなるように物件の位置そのものにピンポイントするようにしています。
*2009-01-31追記
しかし一部のエントリーで、ポイントした場所と地図サイトより取得したリンク情報とは多少の誤差が出ているものもあるようです。

探索については第一段階として、資料と地図だけで自力でどこまで探し当てられるかを楽しみと考えていましたので聞き取りは一切行っておりません。
ブログで成果を発表するのは他の人からの情報のフィードバックを期待している事でもありますので第二段階に入ったといえます。
積み残している物件については更に知りたい気持ちが高まれば聞きとりも行うかもしれませんが、現在の一段落気分では、もう少し先のことになるような気がします。


なおアカデミックな視点は皆無であり、物件の造形と周辺環境を楽しむことを第一としております。


情報や感想のコメントをお待ちしております。

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